初めての自分の犬

初めての犬は、紫犬風雑種の犬です。
その頃、我が家では、老犬の秋田犬がいました。
凄くおとなしくて、利口な犬でした。
しかし、私の犬ではありません。
父にとても懐いていて、忠犬ハチ公のようなワンコでした。
お父さんが大好きで、父がいる時は片時も離れませんでした。
私のそばにいて欲しくて、無理にそばにおいてもすぐに父の所に移動です。“くやしー” 

私の犬となった“なつ”には、少し物語があります。
夏休みの朝、私の日課はもちろんラジオ体操です。
ラジオ体操は、町内の空き地でした。
ある日、私はこの場所にいつもより少々早めに到着です。
雑草の中から子犬の鳴き声がしました。

探してみると、段ボールの箱の中に赤ちゃん犬がいました。
この子は、私のものと当然のように思いました。
小さいながら尻尾がくるっとして、とてもきれいな目をしていたことを今でも思い出します。

もう、ラジオ体操どころではありません。
どうしたら、この子を飼うことを、許してもらえるか、悩みましたねー。
といっても、数分のことですがね。
ただ、老犬のいることが少々気なりました。

私は、考えました。ちょぴりウソをつくことにしました。
急いで犬を抱きかかえて家に帰りました。
まず、自宅の塀の下からこの犬を庭に入れました。
すぐに私は、門を開けて自宅に帰り、犬を気にしながら庭に水をやります。(水やりが、私のお手伝いでした。)
そのうちに母の声が聞こえてきました。朝ご飯です。

私は母に、庭に子犬がいると告げました。
母は、私の顔をみて、“えー、ほんと?あなたが、拾ってきたんじゃーないの?”なんて、じっと見つめていましたが、しょうがないわねーなんて言って飼うことが許可されました。(わー、ばれたと思いました。)
そして、私は自分の犬を持てました。

名前は、父親の家から代々受け継がれた“なつ”という名前です。
3代目です。
この子は、私のかけがえのない友人になりました。
いつもいつもそばに寄り添っていてくれていました。
しかし、この子は、6年ぐらいたった頃あっという間に亡くなりました。
病気でした。
たぶん、フィラリアだったような気がします。

その頃はあまり獣医師もいなくて、予防接種は、狂犬病しか受けていなかったようです。
私と彼の生活は、たった6年で終わりました。
もう少し自分が大人でしっかりしていたら、この子が亡くなるのももう少し遅くなったかもしれません。
悲しい出来事です。

私は、数十年たった今でも、“なつ”のことが忘れられません。